「俺、サラに捨てられたら、生きていけない……」



 震える声でそんな卑怯なことを言う春ちゃんに、心が張り裂けそうだった。

 はっきり言わなきゃ。



「……春ちゃん、今日はね」



 ちゃんと……今度こそ。



「春ちゃんとお別れするために、来たんだよ」

「……っ」



 握られた手を、そっと握り返した。

 私が春ちゃんに向けていた愛情を、そっと手渡すように、春ちゃんの震えている手を優しく包み込む。



「私、春ちゃんのこと大好きだったよ、今でも大切な存在」



 泣きそうな顔でじっと私の話を聞いている春ちゃんに、残酷だと多いながらも笑顔を向けた。





 最後は笑顔で、お別れしたいの。