総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜





 その理由はわからないけれど、とりあえず訳を話した。



「む、虫が出たの」

「虫?」

「私、虫が苦手で……蓮さんが家に来てもいいよって言ってくれたの」



 たしかに、男の子の家に、一応女の私がひとりで泊まるなんて、ちょっと倫理観に欠けているよね……。

 蓮さんに甘えすぎだと、反省した。



「そんなの、僕の家に来てくれたらよかったのに~!」



 南くんは何やら悔しそうに、下唇を噛みしめている。



「今度虫が出たら、僕に言うこと! 約束!」

「う、うん」



 頬を膨らませながら強い口調で話す南くんに、首をこくこくと縦に振る。



「それにしても、寝る時も変装したなんて大変だね。ウイッグとか結構苦しくない?」



 ……ん?

 南くんの言葉に、頭上にはてなマークが浮かぶ。