総長さま、溺愛中につき。③〜暴走レベルの危険な独占欲〜





「そういえば南、最近サラの捜索はどうなってるんだ? 情報がないみたいだが……」



 滝くんまでそんなことを言い出すものだから、勘弁してほしいよ、まったく。



「いっこうに何も見つからないんだよ。報告することも何もなくって、ほんとどこにいるんだろうね~」



 本人がいる前で話すなんて、変な感じだ。

 当事者の由姫は、居心地が悪そうにしている。



「まあ、天王寺が大人しくなったならいい。最後の様子見だな」



 話が天王寺に戻って、僕も適当に相槌を打つ。

 天王寺の退学話がいったん中止になり、由姫も一安心みたい。

 喉が渇いたのか、由姫が立ち上がった。

 給湯室のほうへ行く由姫を追いかけるように、ついていく。

 蓮くんは滝くんと話しているから、チャンスは今しかない。

 ココアを入れている由姫に、後ろから声をかけた。