玲夜side
僕の言葉に頷いて、気にも止めずにもぐもぐ美味しそうにポテトを頬張る莉都ちゃん。
さっきの女の人、たまたま会ったんだって、
…信じてるんだろうなぁ、可愛いなぁ。
幼なじみだとかいう男子と話してるし、仕舞いには下の名前で呼んでるし、とんでもなく腹立っちゃって。
さっきの女の人…、本当は僕のいとこだけど。あの人に偶然を装ってここに来いと指示したのは僕。
案の定、可愛い僕の彼女は分かりやすく嫉妬してくれた。
そのおかげで、
交換条件として「他の男と話すな」ってちゃーんと莉都ちゃんは聞いてくれた。
僕にとっては君以外の女の人なんて存在してないようなものだし、別に話したいなんて一切思わないのに。
僕も縛られてるから莉都ちゃんも縛られる、みたいに平等だって思ってるんでしょ?
…あー、可愛い。僕に一方的に縛られてるだけなのに。
僕の視線なんて気にせずもぐもぐとハンバーガーを頬張る莉都ちゃんはさながらリス。
唇の端についたソースを見て、僕はつい手が動いて、指で拭ってしまった。
固まっている莉都ちゃんを見つめながら、
「…ついてたよ?」
そう言って見せつけながら、
僕がその指を口に含んで綺麗に舐め取ると、あからさまに赤面する彼女。
…あー、どうしよう、このショッピングモールにいる男全員、今すぐ出ていって欲しい。
こんな可愛い子と同じ空気吸えるなんて、とんだ強運だよ。
食事を終えて、モールの外に出たらもう空は真っ暗だった。
2人、どちらからともなく手を握った。
たわいもない話をして、あぁ、この人が隣にいるなんて奇跡だと思う。
小学校低学年のころ、僕は今のような人間じゃなかった。
暗い性格で、何もできない役立たずで、
…いじめられてた。
そんなとき、そばにいてくれたのは、1人の女の子。
いじめに気づいた両親が隣町に転校させてくれたから長い間その子には会えなかったけど、
いつか会えたときには、君に見合う男になってようって、それから全てのことを努力し始めた。
…だから、君の隣に今いられるのは本物の奇跡なんだよ、莉都ちゃん。
どれだけ重い愛だろうが、周りの誰を傷つけようが構わない。
綺麗な星を指差して僕に微笑みかける君を、
僕は、一生離す気なんてないよ。
End



