白雪姫に極甘な毒リンゴを 3 (桃華の初恋編)



「お……おいしい」


「そりゃそうですよ。
 十環先輩が食べたものは
 唐揚げですから。冷凍食品ですけど。

 恋兄が作ったこんな不気味な物なんて 
 十環先輩に食べさせられませんよ」


 そう言い放った私を見て
 十環先輩は珍しく
 お腹を抱え込んで笑い出した。


「あ~もう。
 笑いが止まらなくてお腹が痛いんだけど。

 桃ちゃん、さっきのあれ、なに?
 『お弁当を交換してくれませんか』って
 かわいく甘えてくれたでしょ?
 俺に」


「あれはただ、六花の真似です。
 六花だったら
 一颯先輩にあんなふうに
 オドオドして甘えるかなって。

 でも、やってみて思いました。
 私には絶対に無理です。 
 人にかわいく甘えるのなんて」


「あんな風にかわいく甘える桃ちゃん
 もう一度見たいな」


「嫌です」


「芝居でもいいよ。
 ね、もう1回だけだから」


 は~。
 私は十環先輩のオモチャだ。

 最後には言われた通りに従っちゃう
 操り人形。


 好きになっちゃった弱みだよね。


 甘えるかぁ……
 どう甘えればいいかわからないんだよ。


 私はもう一度六花を思い出し
 十環先輩にうながされるまま
 甘えてみた。