次の日からお昼休みは
『結愛さんとの思い出の階段』で
食べるようになった。
「桃ちゃん、今日のお弁当は?
龍牙さん? 恋都さん?
どっちの手作り?」
「……恋兄」
は~というため息が出てしまった
私とは対照的に、
目をキラキラさせて
とびきりの笑顔を見せた十環先輩。
「楽しみだなぁ。
どんなお弁当かな?
早く見たいな」
十環先輩は
本当に悪魔並みのドSだなって
つくづく思う。
十環先輩が見たいのは
お弁当なんかじゃない。
恋兄が作った不気味なお弁当を
嫌々食べる、
私の表情を見たいだけだから。
そんな時
この前、六花に言われた言葉を
思い出した。
『人に、甘えてみたら?』
甘えるかぁ……
いつも不愛想の私が突然甘えたら
十環先輩はどんな反応を
してくれるかな?
そんないたずら心が芽生えてきて
六花が甘えたらどんなふうかなって
想像しながら、
十環先輩に声をかけた。



