とりあえず
 トイプーが無事だったという安心感。


 そして
 トイプーと龍兄まで
 巻き込んでしまったことへの罪悪感。


 この2つの感情とともに
 もう一つ
 大きな感情の波が押し寄せてきた。



 その感情が何なのか気がついた時には
 私の瞳に、止められないほどの涙が
 あふれ出していた。


 『私、十環先輩のことが
  本当に本当に大好きだったんだな』


 その思いを素直に受け止めた瞬間
 時間が猛スピードで巻き戻ったように
 今朝の出来事が
 頭の中で勝手に再生されていく。