「……っ、どうした……！？」



私の顔を見た蓮さんが、すぐに駆け寄ってきてくれる。

どうして泣いているのがバレたのかと思ったけど、涙が反射したのかもしれない。

蓮さんは私の顔を覗き込むように、目の前でしゃがみ込んだ。



「誰かに何かされたか！？」



頭にそっと置かれた手から、蓮さんの優しさが伝わってくるみたいで、相変わらず止まらない涙。



「……大丈夫か？」



ひどく心配している瞳と目が合って、胸がぎゅっと苦しくなった。
fatalのみんなは、私のこと格好は気持ち悪いって言ったけど……
そう言えば蓮さんには、そんなこと言われたことないな……

私なんかを心配してくれるなんて、優しいな……っ。



「わ、たし……何も、見えてなかったんです……」



こんなこと言っても、蓮さんを困らせるだけなのに。