『おい春季、今日も女遊びかよ』 『……うるせー』 春ちゃん、否定しなかった……。 あの日女の子に囲まれている光景は、本当だったんだ。 私が大好きな春ちゃんは——いないんだ。 「っ、うっ……っぅ……」 涙がとめどなく溢れ出して、どうしようもなかった。 自分が見たものを、すぐには受け入れられそうになかった。 私は誰もいない場所で、ひとり声を押し殺して泣いた。