「おい春季、今日も女遊びかよ」
「いつもいつも遅刻って、困るな~」
「……うるせー」
もう私をいないものとして、会話をしているなっちゃんと秋ちゃんと春ちゃん。
女遊び……。
「ほんっとサイテーやろーだよお前。サラにチクるぞ」
なっちゃんが言った”サラ”のふた文字に、びくりと肩が跳ねた。
「……殺すぞ」
室内に響く、春ちゃんの低い声。
その場に自分がいるのに、自分の話をされてるなんて、不思議だな。
みんな……私のことを、忘れたわけではないのかな。
こんな状況なのにちょっとだけ安心したなんて、変なの。
「あ?殺してみろや」
「まあまあ、夏目だって大概女癖悪いだろ」
「お前もな」
楽しそうに話しているなっちゃんと秋ちゃんの声を、ただぼうっと聞くことしかできない。

