サラには脅しみたいなことを言ったけど、僕が他のやつにサラがいるなんて言うわけない。

絶対隠したい。だって今、サラは僕の独り占め状態ってことでしょう?

敵に塩を送るようなこと、言うわけないよ。

でも、これで証明されたかな。

サラを好きな人間は山ほどいるし、舜くんも滝くんもだけど

——僕の愛が、一番大きいって。

サラとの出会いは……2年前に遡る。

僕と舜くんと滝くんは、nobleに入りたてだった。

nobleは高校生以上じゃないと入れなかったから、4月になってすぐに加入したんだ。

と言っても、僕は仮加入の状態で、あんまり暴走族に入ることを前向きに考えていなかった。

西学にいる以上どこかのグループに入ったほうがいいという暗黙の了解があり仕方なく一番落ち着いていそうなnobleに仮加入したけど、暴走族なんてダサいし、この時は興味がなかったんだ。