「蓮さん、ここで別れましょう……!」
「どうしてだ?」
まだここに来るまでは人が少なかったけど、校舎に入ったら当たり前に生徒がたくさんいる。
「私といたら、蓮さんの評判が悪くなっちゃうような気がするので……」
私ごときが蓮さんの評判を下げられるとも思ってないけど、プラスにはならないだろうなと自覚していた。
きっと私みたいなのが隣にいたら、みんななんであんなのがって思うだろうしっ……。
「悪くなるような評判もない。というか、由姫以外にどう思われてもどうでもいいから平気だ」
蓮さんは本当に全く気にしていない様子で、いつもの優しい笑顔を浮かべる。
すごいな……。
他人の評価なんて微塵も気にしていない姿に、少し尊敬した。
私はやっぱり、多少は気になってしまうし、悪く言われると胸が痛む。
蓮さんは、精神的にもとても強い人だなと思った。
きっと私が出会った人の中で、一番強い。