み、南くん……!

途端、舜先輩と滝先輩の顔色が変わる。



「本当か?」

「由姫が入ってくれるなら、心強いな」



安心したようにほっと息を吐くふたりに、今更「もう少し考えさせてください」とは言えなかった。

もう、覚悟を決めるしかないっ……。

もし春ちゃんがダメって言ったら、その時は改めて断ればいい話だもんね。

南くんとの交換条件だから……今は抵抗するわけにはいかない。



「なんだかんだ言っていたが、蓮が喜ぶだろうな。由姫といられる時間が増えるわけだから」

「そうだろうな」



……?

どうして、私が入って蓮先輩が喜ぶんだろう……。

私以外は納得している様子に、ますます不思議に思った。



「改めて、これからよろしく頼む」



差し出された、舜先輩の手。