「ふふっ、みんなバイバイ!また来週」



みんなに手を振って、私は教室を出た。

一番近道で生徒会室に行ったら、学食の混雑に巻き込まれるため、少し遠回りして向かう。

……それが、間違いだった。

あれ?

目の前から、女の子を引き連れて歩いてくるひとりの男の子。

よく見ると、その姿はなっちゃんのものだった。

……っ。

思わず顔を伏せ、向こうが気づかないように端を歩く。

けれど、すぐに気づかれてしまったらしい。



「うわ、メガネ女じゃん」



なっちゃんの、嫌そうな声が聞こえて足を止める。

恐る恐る顔を上げると、なぜかなっちゃんはこっちへ近づいてきた。

な、何っ……。

今はfatalのみんなに、会いたくないのにっ……。