「ねえ、なんで氷高様、女子寮の前にいたんだろ……!」



……ん?



「誰か待ってるとか!?」

「え?でも氷高様って女子苦手じゃなかった?」



女の子たちの会話に、冷や汗が頰を伝った。。

ま、まさかっ……。

拓ちゃん、女子寮の前で私のこと待ってたり、しないよね……?

でも、氷高様って……拓ちゃんのことな気がするっ……。

念のため、私は女子寮のほうへ向かった。

恐る恐る、木の陰から女子寮を見る。

い、いたっ……!

私の視界に映ったのは、スマホをいじりながら立っている拓ちゃんの姿。

急いで裏側から女子寮の玄関に回り、さも出て来たかのように装って拓ちゃんに近づいた。