冬夜さんはまるで子供からおもちゃを取り上げるように椅子を掴んで、そっと置き直す。
再び拳を振り上げようとした夏目さんの手を掴んで、足で壁に追いやった。
「お前じゃ俺は殺せないよ」
一瞬にして決着がついてしまって、夏目さんも流石に焦ったらしい。
「……クソッ!!どいつもこいつもうぜーやつばっかだな」
不満を吐き捨てながら、教室を出て行った。
静まる室内。あの人、ほんと子供みたいだな……。
あの人の下についてる自分が情けないと思うけど、そんなこと今更嘆いたってどうにもならないことだ。
険悪な空気にならないように気を使ってるつもりだけど、由姫のことを悪く言われて黙っていてやれるほど大人じゃない。
言ったことは後悔してないし、謝るつもりもなかった。

