蓮さんのそんな姿、想像がつかない。
あ、でも今日目が覚めた時、落ち着きがなかった気がする。あれは、私を心配して……?
「これからも、お坊ちゃんのことよろしくお願いします」
お医者さんの言葉に、私もぺこりと頭を下げる。
「こ、こちらこそ……!」
「それでは、失礼します」
笑顔を残して、出て行った女医さん。
少しして、蓮さんが部屋に戻ってきた。
「体調はどうだ?」
私の顔色を伺うように、じっと見てくる蓮さん。
「はい……朝よりも随分ましになりました」
「そうか。よかった……」
ほっと安堵の息を吐いた蓮さんの姿を見て、改めてとても心配をかけたことに気づく。

