でも……ちょっと嬉しいな。
偶然見つけてくれたんじゃなく、探してくれていたとわかって。
……って、なんで嬉しいんだろう?
こんなに心配をかけておいて嬉しいて、性格が悪いよっ……。
——ピンポーン。
あれ?誰だろう……?
部屋に、インターホンの音が鳴り響いた。
蓮さんの目が、ぱちっと開く。
「……あ」
蓮さんは訪問者に心当たりがあるのか、すぐに立ち上がった。
「悪い、ちょっと出てくる」
部屋を出て行ってしまった蓮さん。
少し経って、戻ってきた蓮さんの隣には……。
ひとりの、女の人が立っていた。40代くらいの、コートを着た女性。
「医者が来たからもっかい診てもらって。終わるまでリビングにいるから」
お医者さん……?あっ、さっき言ってた……!

