「それに、俺が風邪引いた時、由姫だって看病してくれただろ?」
「それは……」
「由姫が治ったら俺もちゃんと行くから、今は風邪治すことだけ考えろ、な?」
そこまで言われたら、もう何も言い返せない……。
蓮さんは……優しすぎる。
「は、はい……」
頷いた私を見て、蓮さんは満足げに笑った。
「おやすみ」
優しい声に、なんだかとっても安心する。
自然とまぶたが閉じて、あっという間に眠りついていた。
んん、よく寝た……。
時計がないから、どれだけ眠っていたかはわからないけど、こんなにぐっすり眠れたのは久しぶりな気がした。
頭の痛みも、随分引いた気がする。
熱も心なしか、下がっているように感じた。
身体を起こそうとした時、手を握られていることに気づいた。
「蓮さん……」
スヤスヤと、うつ伏せになって眠っている蓮さんの寝顔が目に入る。

