「心配すんな、俺の家で雇ってる医者だから」
蓮さんはさらっと言うけど、家でお医者さんを雇ってるって……す、すごい。
なんだか次元の違う話に、苦笑いがこぼれた。
「それに、着替えさせたのも女医だ」
付け足すようにそう言われ、ようやく自分が知らないパジャマを着ているのに気づいた。
そういえば、いつのまに制服か着替えてる……。
随分、いろいろしてもらったみたいだっ……。
まさか、風邪をひくなんて……。
いったい、いつぶりだろう?昨日の夜、いつもより寒かったからかな……それとも、泣きすぎちゃったのかもしれないな。
もう涙はすっかり枯れているし、昨日の出来ごとを思い出しても、少し胸が痛むくらい。
蓮さんがいてくれたおかげで、心が落ち着いた。
「薬飲めるか?」
心配そうにそう聞いてくる蓮さんは、いつもより挙動不審というか、あたふたしているように見える。

