舞蝶side


飛びながら私は彼女のこのナイトメアをどう誘き出すかを考えていた。


このナイトメアはまだ弱すぎるから外に出てくることが出来ない…


彼女を見てみると若干震えていて目は固く閉ざしていた。


高い所が苦手なのか?


下を見てみるといつもどうりの夜景とナイトメアの影


とりあえず目を開けさせることにした。


「せっかく誘拐したのにそんなにグズグズしないで。そういうの嫌いだから。
ずっとその調子だったら使えないし元いたあの家に戻すわ。」

そう言うと目を瞑ったままだが直ぐに




「嫌だ!!私はあんな家なんかにけえりたくない。死んでも嫌だ。」



ビックリだこの子にちゃんとした意見が言えるなんて!


笑いが込み上げてくるのを何とか声に出ないよう抑える。


でも私の今の目的はこの面倒臭いナイトメアをさっさと処分する事。


こんな状態の娘をアジトに連れていくのは嫌だし。


「ねえ、そんなこと言うなら目開けなよ。
見えるはずの絶景もそんな固く目を瞑っていたら見ることが出来ないもの」


少女はプルプル震える。


これはビンゴかな?


「グズグズしないで。今から5秒数えるからリラックスして目を開けなさい。

1、2、3、4、5っ、
もう目開けて。」

少女は目を開けると最初は瞳をキラキラさせていたがすぐに表情を曇らせる。


「やっぱりその反応見えるのね。使え…可哀想に。でも私はそれの使い方を知っている。あとあなたはもっと自分のことを見た方がいいわ。」