目を開けると大きな月と街の夜景が宝石のごとく輝いていた。

だがそれと一緒にあの"黒い"物も街のそこらじゅうに見えた。





怖い





母親たちの顔が脳裏に浮かぶ



しかし彼女はそれを見て口角を上げる

「やっぱりその反応見えるのね。使え…いいえ可哀想に。でも私はそれの使い方を知っている。あと、あなたはもっと自分のことを見た方がいいわ。」

この人はあの黒い物のことを知っているの?

「ねえ貴方はあの黒い物の事を知っているの。」

なんでもいい何か教えて欲しい。

そうすると彼女は私を落とした。

体の中のものがふわっと浮く感覚
頬や手足を冷たくしていく冬の風
何かを企む彼女…怪盗の怪しい表情



全てが恐ろしい

それは私は感じたことがないほど怖いと思った。

あの家にいる時よりも。