その時、一人の男が私を人質にとって、由比都がどこかに連れて行かれたの。



もっと自分が強ければ何かできたはずだったのに



もっと自分に危機感があれば由比都が死ぬなんてことはなかったのに



そう思いながら




樹庵に入った。