白い雪が舞う冬、事件は起こった。 私と由比都は学校の帰り道で、何者かの奇襲にあった。 私はその頃、まだ樹庵に所属すらしてなくて、弱いただの女だった。 由比都は、私にだけ逃げるよう言ったの。 でも、怖くて、動けなかった。 それに、自分が姉なのに、弟を置いて逃げるなんてできなかった。