そして月日が経ち、佐那は幹部になった。
意外に強かったりしたし、ギャルっぽいところがあっても嫌われてはいなかった。
で、次はどこに乗り込むのかみんなと話し合っていたら、佐那が「今回は策があるんだ」と言うもんだから、俺らは話を聞いた。
そしたら樹庵を潰すっていうんだから堪ったもんじゃない。
俺らの憧れを潰すなんてしたくないし、そもそも実力が違い過ぎた。
だからそんなの無理だと言った。
でも、山口組を使えば恐らく潰すことができると佐那は言った。
それに、潰したあとに純庵だけ引き抜けば良いとも言った。
俺はその言葉に、少し心が蠢いてしまった。
あの時俺の心が蠢いていなければ、こんなことにはなっていなかったかもしれないと思う。


