彼女というものは可愛すぎる生き物だ。
…ほんと、可愛すぎてどうにかなりそうだ。
緊張して頭が回らない。
甘い物が欲しくなる。
初デートの時もそうだった。
甘い物を求めると、彼女に怒られてしまう。
反省しないといけないんだろうけど、
彼女が怒っている間は、
僕の事で頭がいっぱいになっているのかと思うと、
なんだか嬉しくなる。
やばい。自分でも危険な気がする。
頭をすっきりさせないと…
あぁ、でも、今、目の前で悩んでる彼女は、
僕の事で頭がいっぱいなのか…
ゾクゾクするなぁ…
駄目だ。駄目だ。理性を保たないと。
机の下で、自分の膝をつねった。
「そうだ!別の甘い物にすればいんじゃない?」
彼女が思いついたように言った。
痛みに耐えながら、僕は冷静を装う。
「別の甘い物、とは?」
「………スキンシップとか?」
「へ?」
「だって、付き合ってるのに全然何もしてこないんだもん…」
もごもごと顔を赤くさせながら、
とんでもない事を言ってくる。
抑えていたのに。
そんなこといったら…
「………砂糖、入れてもいい?」
「駄目だよ」
あぁ、どうしたものか。
頭がうまく回らない。
君に対して、かなり甘くなってしまいそうだ。
【END】