「小動物じゃないからね!?」
必死にそう言ってくる彼女に、「ほいほい」と返事をしておいた。
「あ、あのね」
また口を開いた花莉。
「…どうした?」
「キス、したい…」
彼女の声がこの空間に響く。
あまりにも急な言葉に心臓が思いっきり跳ね上がった。
…彼女は今なんて?
…気のせいか、今…キスって聞こえた気が……
顔を上げて花莉を見つめると、彼女は顔を真っ赤にして俺を見つめ返してくる。
その言葉が聞き間違いではないんだと思った。
クラっとする。
風呂に入ってるせいで、いつもよりも彼女が色っぽいから。
「…だめ……?」
返事をしない俺を不安そうに見つめてくる。
この子はまじでずるい。
断ったら絶対悲しそうな表情になるだろうし、俺が断れねぇっていうのがよくわかってんのかと思うくらいだ。
…断りはしねぇけど……
「…風呂出たら、な」
今は、できない。
俺は花莉から目を逸らす。
ただでさえ今、目を合わせているだけでもかなりやばい状態。
キスなんてしたらまじで止まらなくなりそうだ。



