2人で入るということもあり、少なめに入れておいた浴槽のお湯。
幸い溢れることはなく、浴槽からお湯が溢れ出るぎりぎりのところ。
「「……」」
静かな空間。
それが余計緊張する。
俺の心臓の音が隣にいる花莉に聞こえてしまわないか…
すげぇ心配。
こんだけ静かだと、ドキドキと煩い心臓が聞こえてしまってもおかしくない。
口を開こうとしたその時
「し、詩優…」
先に口を開いたのは彼女のほうだった。
「どうした?」
平静を装って出した声。
内心はすげぇドキドキ。
「…き、今日は…デートに連れて行ってくれてありがとう……すっごく楽しかった」
声だけでもわかるが、花莉の声からは緊張が伝わってくる。
…緊張してんのは俺だけじゃねぇ、ってことは素直に嬉しい。
「…そっか。それなら良かった」



