彼女side



家に帰っている途中、誰かに急に襲われて意識を失った。

どれほど眠っていたんだろう。目を覚ますと知らない部屋にいて、手には手錠、首には首輪が巻き付いていた。

「えっ?何これ!?誰か!!」

パニックになり大声を出すと、ガチャリと音を立ててドアが開く。目の前に現れたのは、全く見知らぬ男性。誰?この人……。私は恐怖から声が出せなくなる。

「……ッ」

体を私が震わせていると、ふわりと男性が抱きしめてきた。その体温は本来なら安心するはずなのに、ますます体を強張らせてしまう。

「やっと二人きりになれたね、雪。これからよろしくね」

「何で、私の名前……」

「君のことをずっと見てた。君のことは何でも知ってるよ」

笑顔で男性はそう言う。ずっと見られていたってこと?怖い。気持ち悪い……。

「私、学校やバイトがあるんですが……」

「学校なんか行かなくていいよ。君はずっとここで僕と暮らすんだよ」

私の目から涙がこぼれると、男性は涙を愛おしそうに拭う。そして、「早く僕に堕ちてよ」と囁く。

その顔には、狂気的な笑みが浮かんでいた。