桜が散ったら、君に99回目のキスを。




なんだかんだでいつもより時間をかけて白峰女子に着くと、赤のラインが入った紺のジャージを着た男子高生があちらこちらで固まって話しているのが見えた。


「結構な数だね」


かこは辺りをきょろきょろと見渡しながら言う。


まるで私たちのよく知る学校じゃないみたいだ。


紺の人混みの中にはちらほら違う服の人達も見えて、それは恐らく親御さんだったり彼女だったりに思われた。


もっとアウェーかと思っていたから少しほっとする。


「“小説の君”は何組か知ってるの?」


「…分からない」


とりあえず体育館に向かいながら私は首を横に振る。


聞いていればよかったな。


『春の向こう側』の重版が決まった話で盛り上がって、すっかり忘れてしまった。


白峰女子は体育館が大きいから見逃さないといいけれど。


かこによると、球技大会──バスケットボールはクラス別トーナメント制で行われるらしく、2組ずつコートに入るらしい。


1試合目がA対B。


2試合目がC対D。


3試合目以降は勝ち上がった組同士で対戦していく。


かこの彼はD組だから2番目の試合に出るのだそうだ。