「そういえば、どうして西高ってこの時期に球技大会なの?」
まだ5月のはじめ。
この間新学期が始まったばかりなのに、もう球技大会なんて珍しい。
親睦会みたいなものなのかな。
「西高ってさ、家庭の事情で通ってる人とかも多いでしょ?だから中退しちゃう人とかも多くて、なるべく行事を前倒しでするようにしてるらしいよ」
かこの返答にへぇ、という声が漏れる。
西高はこの辺の高校じゃ(といっても都会ではないから数は少ない)1番授業料が安い私学だという話を聞いたことがあった。
治安が悪いとは噂されているけど、特別偏差値が高いわけでもないし就職にも強いから、案外手厚い高校なのかもしれない。
「派手なだけの高校じゃなかったんだね」
「だから意外と白峰女子でも隠れて西高の人と付き合ってる子多いよ」
知らなかった。
ううん、疎すぎたって言う方が正しいのかも。
友達が多い方でないのは自覚済みだ。
それにしたって恋愛に若干苦手のきらいがあるのは言い訳にはならない。
兄弟もいないし、男の人が考えていることがよく分からなくて萎縮してしまうのだ。
相馬くんと普通に話せていることに自分で驚いてしまうくらい。
「円依も“小説の君”と早く結ばれるといいんだけど」
源氏物語の光る君とかけて茶化した呼び名に思わず苦笑する。
でも、もう想いに否定はしない。
想いを否定することは、きっとその縁も断ち切ってしまうことだ。
相馬くんが好き。
そう認めることは、思ってたよりずっと簡単で優しかった。
まだ5月のはじめ。
この間新学期が始まったばかりなのに、もう球技大会なんて珍しい。
親睦会みたいなものなのかな。
「西高ってさ、家庭の事情で通ってる人とかも多いでしょ?だから中退しちゃう人とかも多くて、なるべく行事を前倒しでするようにしてるらしいよ」
かこの返答にへぇ、という声が漏れる。
西高はこの辺の高校じゃ(といっても都会ではないから数は少ない)1番授業料が安い私学だという話を聞いたことがあった。
治安が悪いとは噂されているけど、特別偏差値が高いわけでもないし就職にも強いから、案外手厚い高校なのかもしれない。
「派手なだけの高校じゃなかったんだね」
「だから意外と白峰女子でも隠れて西高の人と付き合ってる子多いよ」
知らなかった。
ううん、疎すぎたって言う方が正しいのかも。
友達が多い方でないのは自覚済みだ。
それにしたって恋愛に若干苦手のきらいがあるのは言い訳にはならない。
兄弟もいないし、男の人が考えていることがよく分からなくて萎縮してしまうのだ。
相馬くんと普通に話せていることに自分で驚いてしまうくらい。
「円依も“小説の君”と早く結ばれるといいんだけど」
源氏物語の光る君とかけて茶化した呼び名に思わず苦笑する。
でも、もう想いに否定はしない。
想いを否定することは、きっとその縁も断ち切ってしまうことだ。
相馬くんが好き。
そう認めることは、思ってたよりずっと簡単で優しかった。



