最終章





刑事 星野ヨシヒト
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“ガチャリ”


「お、ヨシト君ちょうど良いタイミングっすね。」


「うまくいった?」


豊川さんが立てた推論、仮説。
仮説は、実証して初めて“真実”となる。


“再現実験”を依頼していた長くんの作業場を訪れた。


「キンキンに冷えてますよ。

それにしても・・なんでテツさんはこんなぶっ飛んだ事実に気付いたんすか?」


「最初から・・“水浸しの床”に疑問を持っていたみたい。

僕達が通報を受けて現場に入ったのは、彼女の死後から半日以上経ってから。

ただ水が溢れただけなら、
とっくに乾いてる・・。

それなのに関本主任の靴下が濡れるほど、まだ湿っていたということは、

“水以上”の“それ”があったんだろう・・って。」


「なるほど・・。」


「それから、

もし“そうだったとしたら”・・
“どうやって指紋を付けずに刺したのか?”

っていう切り口で、
この仮説が出来上がったんだってさ。」


「さすが・・やっぱテツさんは頭ぶっ飛んでますね!」