だけど・・甘く考え過ぎていました。


ずっと張り詰めていなければいけなかったのに、

ずっと警戒しながら生きていかなければいけなかったのに、


でも日が経つにつれて、
マリの影がすっかり俺の周りから消えて、


だから・・本当に一瞬の気の緩みでした。


どうやって辿り着いたかは分からないけど、

マリは、多分ずっと前から突き止めていたんだと思います。


それなのに俺の前には姿を現わさず、

部屋の中に入れるチャンスを狙っていたんだと思います。






“ガチャリ”


「え・・・・・?」


「・・・・・・・・・。」


「!!!!?」


「ねぇなんで逃げるの?
なんでちゃんと話し合ってくれないの?」


「やめろ・・・来るな!!」


「ゆくゆくは私と結婚しようって言ったよね?YESって言ってくれたよね?

・・・何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も何回も、

私の事“好き”って言ったよね?」


「やめてくれ・・・・。」


「なんでなのワタル・・・。
なんであの女なの・・・。」


「やめろ!!触るな!!」


「・・・どうして・・・ねぇ・・どうして私じゃないの!!!!!!」