――――――
「うっわ・・荒いな・・。」
規制線が張られた403号室。
玄関、廊下では全くそんな予兆は無かったけど・・
リビングまで行くと関本主任が第一声を挙げた。
僕達の視界に広がったのはまさに“荒れた部屋”。
割れた食器、写真立て。
乱雑に放り投げられた本、服。
様々な物が床に散乱していて【誰かがここで暴れ回った】と一目で察する。
「あ!そこ濡れてるんで気をつけてください!」
「長野・・早く言え!!!」
“冷たっ!”と驚き声を挙げた関本主任が片足立ちしながら僕の肩に手を置く。
水浸し・・とまでは言わないけど、
リビングの一角、
フローリングが湿っている様子だった。
「恐らくこれでしょうね。」
蓋が開いたT-falがすぐ傍に転がっている。
恐らくこれも“荒らされた”拍子にテーブルから落ちたんだろう。
「どうやら犯人は、随分とヤンチャな奴だったんだろうな。」
濡れた靴下を脱いで無造作にポケットに突っ込んだ関本主任と一緒に、改めて部屋を見渡す。



