生きていくんだ。それでいいんだ。



現場のマンションへと着く。

入り口前には既に何台もパトカー、
そして救急車が停まっていて、

土曜日ということもあり、野次馬という名のギャラリーも大勢いるようだ。


「ご苦労様です。」


エントランスで待機していた捜査員にオートロックの扉を開けてもらい、

そのまま関本主任とエレベーターに乗り込・・・


「・・・ん?」


「・・・・・星野?どうした?」


“閉”を押した直後、
すぐに“開”へ指を伸ばす。





「・・・・・・・・・・・・。」


・・乗らないのか・・?


エレベーターが降りてくるのを待っていた僕達のすぐ後ろ、

いつの間にかマンションの住人らしき女性が立っていたようだ。


ショートカットで恐らく20代半ば・・僕より何個か歳下に思える女性。

部屋着のような格好だったのでコンビニの帰りか・・?


そう思ったけど・・・


『・・・・・・・・・・。』


「・・・・・・・・。」


アイコンタクトを送っても乗り込む気配は無かったので、再び“閉”を押した。