生きていくんだ。それでいいんだ。



―――――― 


その通報があったのは、
それから2週間後の事だった。


時刻は間もなく22時。

帰宅してうたた寝していた所、
関本主任の招集がかかった。


そのまま家まで迎えに来てくれた助手席に乗り込み・・


「テツさんにも一応招集かけたんだけど、

いつも通り、“夜は余計に怖いからやめときます”ってよ。」


「あ、でも元々次の事件が起きたら僕一人で、と話をしてたので丁度良かったかもです。」


「先に鑑識班が乗り込んでるけど、

マンション“フーライズ”403号室で、住人とおぼしき女性の刺殺体が発見された。」


「今度の被害者は女性ですか・・。」


「第一発見者は被害者の友人。

夜ご飯一緒に食べる約束してたけど、

連絡も無くドタキャンされたから、心配になって様子を見に行ったんだとよ。」


「・・・・・・・・・・・・・。」



「・・・星野。テツさんからも言われてるかもしれないが、あんまり思い詰めるなよ。」


「はい・・。」


「あの人が普通じゃねぇんだ。

別に被害者が視えなくても、

俺達はいつも通り、
手順に則って捜査をすればいい。」