「今までの人生・・一日たりとも生きた心地がしませんでした。
君は“一日カツ丼一杯で足りるのか”と気にしてくれましたが、
食欲が沸くことなんて無いので丁度良いんです。」
「精神的な負担が相当・・。
だからあなたはそんなにも弱り切った見た目をしているんですね・・。」
「関本主任に教えてもらって、
小栗旬くんのドラマは観ました。
私には彼の気持ちが痛いほどよく分かります。」
「・・・・・・・。」
「星野君・・。」
「はい・・・。」
「私は一日でも早く死にたいと思っています。
一日でも早く、こんな恐ろしい世界から逃げたいと願っています。
だから一刻も早く肺気腫や肺がんになりたくて・・
こうして“一日1箱”をノルマにして煙草を吸うようにしています。」
「・・・・・・・・・。」
「残念ながら・・その成果は出ることなく、
こんな見た目ですが、今年の健康診断も“異常なし”と言われてしまいましたけどね。」
「自ら命を絶つ事は考えなかったんですか・・?」
「親から授かった大切な命です。
自殺は一度も考えたことがありません。
自然な死へと導かれるまで、
私はこの命を使い果たします・・。
そして折角だからこの力を役立てないかと熟考した結果、この仕事を選びました。」
「・・・・・・・・・・。」



