「もちろん、こんなオカルト話で逮捕状は取れないから、
物的証拠・状況証拠をきちんと挙げた上で逮捕をする。
ただ、ターゲットは分かってるから、捜査員全員でそいつを追う事が出来る。
こんな効率良い捜査ないだろ?
どんなに小さくても、
どんなに些細な事でも、
仲間達が協力して全員で追い詰めれば、
どんな完璧な犯罪者も必ずボロを出す。
これが俺達・・“被疑者検挙率100%”を誇るセイズ署 刑事課の秘密だ。」
「・・・よく・・分かりました・・。」
「え!?・・・珍しいな。
こんなにあっさり信じてくれたのは星野が初めてだよ。」
捺印した誓約書を梅田課長に提出した後、豊川さんを探しに出掛けた。
恐らく、今回の事件は明日にでも解決する。
“戸田シゲル”が逮捕されて、
“えー!?やっぱ豊川さんは死者と話が出来るの?!
信じられないけど・・こうなった以上、信じるしかありませんね。”
なんて無駄なリアクションを取っている場合じゃ無い。
「屋上で煙草を吸っている」と梅田課長に教えられたので、急ぎ足で階段を昇った。