生きていくんだ。それでいいんだ。



「門田さん・・。
どうしてこんな事を・・?

どうして・・自殺なんか・・。」


『・・・・・・・・・・・・・・。』


「・・・・・・・。」


『カレが悪いんですよ?

私は今でもワタルが好き。
ワタルの全部が好き。

結婚の話もしてくれたのに。

ワタルは何かに取り憑かれたかのように、
私から逃げるようになった。』


「やりすぎだよ・・。

あなたが漆原にしてきたのは、“束縛”なんて言葉で簡単に片付けられ・・。」


『彼女が彼氏の心配をして何が悪いんですか・・?

女は黙って待ってなきゃダメなんですか・・?

こんなに好きなのに・・
だから早く会いたいのに・・。

ずっと傍にいたいのに・・だから遠く離れても声が聞きたいのに・・

どうして・・・
どうして私じゃダメなの・・・?』


「・・・・・・・・・・・・。」


『でも、もう大丈夫。これからはずっとワタルの傍にいれるから。』


「・・・どういう意味ですか・・?」



『もう・・疲れたんですよ。

苦労して苦労して、
やっとの想いでワタルに追いついても、

夜が明けたらまたワタルはいなくなっちゃう。

1回だけでも心が折れそうになったのに2回も。

でもワタルが好きだから頑張れた。

でも・・カレはあの子と一緒にまた消えちゃった。」