怖いけど、わたしも負けじと言い返す。


だけど、わたしが反論したのが気に障ったみたいで。


「…ふーん。俺に逆らうんだ。大人しく頷いてくれたら何もしないでおこうと思ったんだけど。こうなったら無理やりでも言うこと聞かせるしかないね。」


男の子の纏うオーラが一気に変わった。


お構いなしにわたしに近づいてきて、体に触ろうとする。




「……っ!やめてっ!近づかないでっ……!」


怖いっ……!!

助けて、冬舞くんっ………


ここにいるはずのない冬舞くんに、心の中で必死に助けを求めるわたし。



怖いのに、足がすくんで動かないわたしは、ギュッと目を瞑った。




「…ねぇ。僕の彼女になにしてるの?」


ふわりと、透き通った低い声と共に、恐怖の代わりに与えられたのは、暖かくて優しい、安心する温もりだった。


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