はじめての恋は、きみと一緒。

 海乃ちゃんのこと、本当は応援なんかできない。

 正直に自分の気持ちを話せず、不安に負けてメモ用紙を渡す自分に辛くなった。

 わたしがはっきりと言わなかったせいだ。

「……それって、どういうつもり?」

 低い声を聞いて顔を上げると、わたしを怒ったような表情で見ている敦瑠と目が合った。

「お前のこと好きって言ってる俺に、俺のことが気になる女子の連絡先渡すってなんだよ」

 呆れたように微笑した後、敦瑠は眉をしかめて視線を逸らす。

「俺の気持ち知らないのなら、なにも言わずに流したよ。でも今は、俺の気持ち知ってんだろ……」

 敦瑠の横顔が悲しそうに見えて、固まったまま動けなくなった。

 友達も大切で……だけど、敦瑠にこんな顔をさせてしまうなんて。

 ちゃんと言わないとダメだ。

 わたしが謝ろうと思って口を開きかけたとき、持っていたメモ用紙を敦瑠が奪うように取った。

「俺とこの子が仲良くなればいいって思ってるってことだよな」

「待っ……敦瑠、ごめん、わたしは……!」

「連絡しておく」

 わたしの顔を見ない敦瑠は、背を向けて歩き出してしまう。

「敦瑠……!」

 呼び止めたけど、止まってくれない。

 ちょっと待ってよ……。

 わたしは、海乃ちゃんと敦瑠が仲良くなればいいなんて思ってないのに。

 本当は連絡先なんて渡したくなくて、苦しくて、でも海乃ちゃんのことを傷つけたくなかったから……!

 断りたかったよ。

 でも勇気がなくて、友達と気まずくなっちゃうのが怖くてできなかった。

 はっきりと言えなかった自分に後悔ばかりが残って、しばらくの間その場から動けなかった。