はじめての恋は、きみと一緒。

 でも、さっき聞いた敦瑠の好きな人が気になるのはどうしてだろう。

 ちょっともやもやするような……。

 少しの間考えたわたしは、口を開いた。

「敦瑠ってどんな女の子が好きなんだろう」

「どうしたの、急に。気になるの?」

「いや……まぁ、ちょっとはね」

 口籠りながらそう言ったわたしに、菜々花が目を細めてくる。

 ううっ、なぜか無性に恥ずかしい。

「もしかしてため息の理由って……」

 菜々花が話していた途中で、教室のドアの方から「沙耶」と呼ぶ声がした。

 振り向くとそこには敦瑠がいて、ドキッとする。

 だって今、彼のことを話していたから。

 いやでも〝ドキッ〟はやっぱりおかしいよ!

 胸の音が早く静まりますように、と思いながらわたしは席から立ち上がり、敦瑠のもとへ向かった。

「どうしたの?」

「お前、ジュース買いたいとか言ってたくせに、購買寄らずに戻っただろ」

「あっ……!」

 そういえば、ジュースの話していたよね。

 敦瑠のこといろいろ考えていたら忘れて、そのまま教室に戻ってきてしまった。

「俺は購買行ったから。ほら、これ。オレンジジュース」

 呆れたような顔をしている敦瑠は、わたしに紙パックのオレンジジュースを差し出してきた。

「これでよかった?」

「……あ、ありがとう」

 買ってくれたんだ。

 わたしは差し出されたオレンジジュースを受け取ってお礼を言った。