「…これは明凛祭日和ね」



明凛祭当日、朝の七時過ぎ。

雲一つない青空に笑みをこぼしながら通学路を歩く。


何だかそわそわしてしまったのと段取りを確認したくて、早く行く必要もないのに家を出てきてしまった。




明凛祭は、言わずもがな一大イベントである。


各クラスの出店はもちろん、各部活の出し物もかなり手が込んでいる。


たとえば天文部では本格的なプラネタリウムを楽しめるし

サッカー部と野球部合同のお化け屋敷は、ひとつの棟を丸々貸し切って行われる。

運動部も文化部も一切の妥協はせず、本格的なテーマパークのような雰囲気が楽しめるのも魅力のひとつだ。


野木先生が言っていたけれど、近隣の大学が視察に来るほどのスケールの大きさと完成度らしい。

ちなみに茶道部も浴衣を着て和菓子喫茶を開いている。けれど優しいメンバーたちの計らいで、クラスの責任者であるわたしはたこ焼き屋さんに専念させてもらうことになったのだった。



「紗和ちゃーん!」