――…『あなたは、“永遠”を信じますか?』
「そうだ紗和ちゃん、昨日のスペシャル見た?」
「見た見た!面白くてあっという間だったね」
「ね!最後の海辺のキスシーンなんてキュンキュンしちゃったよぉ、憧れっ!」
「…ってひなが言ってんぞ千尋」
「晴人、その口塞ぐぞ」
「いやなんで!?」
明凛祭が終わってしばらく経ち
若干の肌寒さも感じるようになったある日の昼休み。
いつものように5人でお弁当を広げていると、ひなが思い出したように話す。
少し前、社会現象を巻き起こした恋愛ドラマの新作が
昨日、一夜限りのスペシャルドラマとして放送されて。
笑える部分も切ない部分もあって本当に面白くて、二時間があっという間だった。
「最後の結婚式のシーン泣いちゃったもん、永遠の愛って素敵だよねぇ」
「ふふっ、そうね」
ひなはうっとりしながら卵焼きを頬張る。
甘そうな卵焼きは窓から射し込む太陽の反射でキラキラして見えて、今の彼女の感情を表しているかのようだった。