隣のキミをもっと溺愛、したい。

「羽衣、末席だったの?」

仲のいい朝歌が、
心配そうに眉を下げる。


「よく見たら、
解答欄ひとつずつ間違えて
書いちゃってて。

でも、さらによく見たら、
解答欄が合ってたとしても、
答えはほとんど間違ってたっていう……

くっ…頑張って勉強したのに…」


「が、頑張れ、羽衣っ」


「うん、頑張るよ。仕方ないよ。
なんとか、このクラスに残れたしさ。

末席だって、
私からしたらラッキーだよ。

だから、部活を続けながら
このクラスにいるなんて、
すごいと思う、その人」


すると、男子のひとりがつぶやいた。


「たしかに中3のこの時期に
部活続けてるなんて、
すげえ体力だよな。

正直体きつくて、
俺だったら両立なんて出来ないわ」


「俺は夏の引退でもきつかった。
部活やってると疲れちゃって
勉強なんてできないんだよな」


「そっか、あいつ、すげえんだ。
頭いいんだ」


ついでに、山田に付け加えた。


「それに、私、その人のこと
名前もしらないよ?
あんまり塾にも来てないし。

むしろ、女子で集まってると、
いつも話に入ってくるのは山田だよね?」


「あ、たしかに!」


「ってことは、
女にチヤホヤされたいのは、
オメェじゃねぇか!」


男子のひとりが
ふざけて山田に蹴りを入れた。


「そっか、俺だわチヤホヤされたいの!
だって、俺、彼女ほしいし!」


本音を漏らした山田に、
教室が笑いに包まれた。

すると山田が表情を改めて、
私に視線を向けた。