隣のキミをもっと溺愛、したい。

【一ノ瀬 side】


「この花壇、
目立たない場所にあるから
忘れられちゃうことも多くて。

ちゃんと世話してあげないと、
すぐに枯れちゃうんだ」


頬に土をつけて、
無邪気に笑う天野の笑顔に

朝の光がキラキラと輝く。


その瞬間、
天野を腕のなかに
抱きしめたくてたまらなくなった。


「天野……」


そう言って、
天野の頬に手を伸ばしかけたそのとき。


「あれ、羽衣?
こんなところでなにしてんの?」


サッカーボールを手にした茶髪が、
俺と天野の間に割って入った。


「……れい、くん?」


そう呟いた天野が、
慌てて小さな両手で口をかくす。


れいくん?


明らかに動揺している天野に、
茶髪が一歩近づき、

天野の耳元に口を寄せる。


茶髪と天野の距離が、近い。


……ふざけんな。


気が付いた時には、

天野の耳もとで
なにやら呟いている茶髪の肩をつかんで、

力づくで天野から引きはがしていた。