けれど練習がはじまると、
「鷹島先輩」の顔から
それまでの優しい表情はさっと消えて、

途端に瞳が鋭くなった。


ボールの扱い方やその正確性、

プレイの先を読む
キレのある俊敏な動きも

本場仕込みのその技術も
他の部員の比較にならない。


圧倒的なその技術に、
グラウンドが静まり返る。


じっとグラウンドに
見入っていた朝歌が、

無言の私に首をかしげる。



「……どうしたの、羽衣?」


「顔、ひきつってるけど、大丈夫?」


「う、うん、大丈夫!」