隣のキミをもっと溺愛、したい。

【羽衣side】

翌日、朝早くに神社へと向かうと、
目に鮮やかな花々が

視界に飛び込んできた。


「お花、増えましたね」


お花の世話をしている守りびとの風谷さんに声をかけた。


風谷さんとは小さいころからの知り合いで、

お花の世話の仕方を教えてくれたのも
風谷さんだった。


「今年は近くの高校生の子がお参りついでに手伝ってくれてね。

願掛けだって言ってたかな。

なかなかの力仕事だけど、
頑張ってくれたんだよ。

これだけ綺麗に咲いたんだ、
きっとその子の願いもかなうだろうね。

おかげで、今年はたくさんのお花様を
咲かせることができそうだよ」


神社を囲むように咲き乱れる花々に
心を奪われる。


「本当に綺麗ですね」


穏やかに微笑む風谷さんと
生き生きと咲き乱れる花々を眺めて、

その美しさにため息が漏れた。


「春には、もっと綺麗に咲き乱れるよ」


風谷さんの言葉に笑顔を返すと、

明るい空を仰ぎながら
大きく息を吸う。


思い出せないことが
まだまだたくさんあって、

わからないことだらけの毎日に
なってしまったけれど、

一ノ瀬くんを
ただ好きでいることは、きっと許される。


この気持ちだけは大切に。

忘れないように守っていこう。


この想いだけあれば、私はきっと、大丈夫。