隣のキミをもっと溺愛、したい。

「退部する必要も、
キャプテンをおりる必要もない」


「え?」


「天野は、
お前のしたことを忘れるって言ったんだろ?
 
それなら、俺は天野が決めたことに従う。

天野がお前を許したのなら、
俺が葉月にとやかくいう資格はない。

それに、
もし、お前が部活をやめたら、
きっと天野は気にする。

これ以上、
天野のことを悩ませたくないんだよ」


もう、天野は十分に苦しんだ。

今だって、まだ思い出せない混乱のなかで
きっと苦しんでる。


「一ノ瀬、変わったよね。

昔は、自分以外はどうでもいい、
みたいな感じだったのに。

ホントに大事なんだね、天野さんのこと」
 

「大事だよ。
でも俺は天野とちがって器小さいから、
今回のことは絶対に許さない」


「何度も言わなくても
わかってるって」


じっと葉月を見つめて
言葉を選ぶ。


「けど、同じバスケやってる人間として、
葉月のことは期待してる。
だから、きっちり結果だせよ」


葉月のためじゃない。

天野のために伝えた言葉だった。


涙ぐんだ葉月が去っていくのを見届けて、
そのまま、天野の家に向かった。

今すぐ天野に会いたくてたまらなかった。