隣のキミをもっと溺愛、したい。

「どういう、意味だよ?」

「あの日、神社から逃げるように
家に帰った。

そしたら、
しばらくして救急車の音が聞こえてきて。

まさか、天野さんじゃないだろうって。

どうか、違いますようにって
祈るしかなかった。

でも月曜日に学校で、
天野さんの意識がないことを知って
怖くてたまらなくなった。

なんてことしちゃったんだろうって
思ったときには遅かった。

バスケも学校も全部失うと思ったら、
誰かに言うことなんてできなかった。

でも、せめて天野さんには謝らなきゃって。

そう思って
覚悟を決めて、病院に謝りに行ったの」

信じられない思いで葉月の話を聞いていた。

そんなこと、
天野はひとことも言ってなかった。


「そしたら病院で天野さんから

あの日のこと、なにも覚えてないんだって
言われたの。

記憶がないから、謝られても困るって。

私が天野さんを
突き落としたんだって言ったら
天野さん、すごく困った顔してて。

自分も忘れちゃってるから、
もうお互い忘れようって。

一ノ瀬の話をしても、きょとんとしてて。

天野さん、
本当にあの日のことを
思い出せないみたいだった。

私が病院に行った時には、
落下したのが神社の石段だったことも
覚えてなかった。

正直、責められるより、辛かった」